9月半ばから、蓄電池投資の実務的な話を続けてきました。始め方の全体像、土地の要否、系統連系の枠、設置工事、融資の準備、稼働後の運用。9月の締めくくりとして、全体を振り返ります。
実務のほとんどは、こちら側の仕事
並べてみると、分かることがあります。
| 工程 | 誰がやるか |
|---|---|
| 用地の手当て・条件確認 | 事業者 |
| 系統連系の現地調査・申請 | 事業者 |
| 設計・機器の手配 | 事業者 |
| 基礎工事・据付・引込 | 事業者(当社は自社施工) |
| 検査・試運転 | 事業者・電力会社 |
| 日々の充放電の運用 | アグリゲーター/EMS |
| 遠隔監視・故障対応 | 事業者 |
| 区画を選ぶ | オーナー |
| 契約内容を確認する | オーナー |
| 収支を年単位で評価する | オーナー |
| 税務の手続き | オーナー(+専門家) |
オーナー様の欄に並ぶのは、手を動かす作業ではなく判断です。これはこの資産の設計思想でもあります。人が張り付かないと回らない投資にしない、という。
それでも、判断は代わってもらえない
ただし、判断は誰にも代われません。そしてこの投資で一番大きな判断は、実は細かい条件の比較ではなく、始めるかどうかです。
検討を重ねること自体は健全です。物件概要書を読み、収支の前提を確認し、契約書に目を通す。当然やるべきことです。
一方で、電力系統の空き容量は受付順に埋まっていきます。接続ルールは2026年に入ってから段階的に厳しくなる方向で見直されています。待っていれば条件が良くなる類のものではない、という面があるのも事実です(系統連系に「枠」はあるのか、始めるタイミングの考え方)。
決断の前に、確認しておくべきこと
とはいえ「急いでください」と申し上げるつもりはありません。決断の前に、次の三つはご自身で確認してください。
① 下振れしても耐えられるか
収益は市場価格に連動して変動します。想定を下回る年があっても資金繰りが回るか。借入を使う場合は特に重要です(融資の準備、3シナリオ試算)。
② リスクを自分の言葉で説明できるか
市場価格の変動、制度改定、機器の経年劣化、災害。これらを聞いた記憶があるというレベルではなく、自分で説明できる状態になっているか(リスクの話を正直にします、「やめたほうがいい」と言われる5つの理由)。
③ 誰から買うかを納得しているか
十数年付き合う設備です。売った後に連絡がつく相手か、故障時に誰が来るのか(「誰から買うか」で変わる10年後、業者選びの8つのチェックポイント)。
9月のまとめ
最後に
私たちは電気工事会社です。設計から系統連系申請、施工、保守までを自分たちで担っているので、「できます」と言えることと言えないことの線引きははっきりしているつもりです。
判断に必要な材料は、公開できる範囲で全部お出しします。そのうえで、決めるのはオーナー様です。
※収益は市場価格・稼働状況により変動します。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
