「系統連系に枠のようなものはあるんですか」。最近とくに増えたご質問です。結論から言えば、行政が配る割当のような「枠」があるわけではありませんが、物理的な容量の上限は確実に存在します。そしてそれは、地域単位ではなく、もっと細かい単位で決まります。
「枠」の正体は、電線と変圧器の容量
電気を流す設備には、それぞれ流せる量の上限があります。低圧で接続する場合に効いてくるのは、主に次の二つです。
- 配電線(低圧線・高圧配電線)の容量:一本の電線に流せる電流には限りがあります。
- 柱上変圧器(トランス)の容量:高圧を低圧に落とす機器で、こちらにも定格があります。
すでに周辺に太陽光や他の設備がつながっていれば、その分だけ受け入れられる余地は減ります。つまり空き容量は「早い者勝ち」で埋まっていく性質のものです。地域全体としては余裕があっても、目の前の電線に余裕があるとは限りません。
空きがなければ、どうなるか
空き容量が足りない場合に起こりうることは、おおむね次の三つです。
- 系統側の増強が必要になる。変圧器の取替や電線の張替といった工事が発生し、費用の一部(工事費負担金)を申込者が負担することになります。
- 時間がかかる。増強工事は電力会社側の計画・工程に組み込まれるため、運転開始の時期が後ろにずれます。
- そもそも接続できないことがある。増強しても成立しない、あるいは負担が重すぎて投資として合わない、という結論になる場合もあります。
いずれの場合も、収支計画の前提が変わります。価格が安い土地に飛びついた結果、負担金と待ち時間で採算が合わなくなる——これは太陽光の時代にも繰り返された話です。
だから「電柱単位」で現地を見る
以上の理由から、当社は用地を検討する際、その地点から見て一番近い電柱と、その先の配電系統がどうなっているかを現地で確認します。地図上の「この辺りは空きがありそう」では判断材料になりません。
- どの電柱から引き込むことになるか、その距離はどれくらいか
- 柱上変圧器の状況、周辺にすでにつながっている設備の様子
- 引込線を架ける経路に無理がないか(道路・他人地・支障物)
同じ町内でも、一本違う道沿いなら結論が変わることがあります。粒度を細かく見ないと分からないというのが、この分野の実務感覚です。
早めに申請することの意味
空き容量は申込の受付順で押さえられていきます。検討に時間をかけている間に、同じ電線に別の申込が入ることは普通に起こります。だからこそ、条件が合うと判断できた段階で申請に進むことに意味があります。
また、2026年は接続ルールが段階的に見直されています。8月には接続検討の件数上限が設けられ(8月の変更)、10月からは契約申込時に土地使用権原の提出が必須になります(10月の変更)。手続きのハードルが上がる方向にあるぶん、すでに申請の地位を確保している案件の価値は相対的に高まると考えられます。
空き容量を超えて接続する方法もある
近年は、空き容量を超える場合でも一定の出力制御を受け入れる条件で接続する「ノンファーム型接続」が広がっています。選択肢が増えたのは事実ですが、制御を受ける分だけ収益の前提が変わるため、条件の見極めは必要です。「つなげる=同じ収益が出る」ではありません。
まとめ
- 系統連系の「枠」とは、配電線と変圧器の物理的な容量の空きのこと。
- 空きは地域単位ではなく、電柱・配電線単位で違う。だから現地を見る。
- 空きが足りなければ、増強費用と待ち時間が発生し、接続できないこともある。
- 空き容量は受付順に埋まるため、判断がついたら早めに申請することに意味がある。
当社がご案内している区画は、この確認を済ませたうえで系統連系申請を進めている案件です。各物件の連系ステータスは売却情報の物件概要書に記載しています。ご所有の土地で接続可否を確認したい場合も、無料相談でご相談ください。
※空き容量・工事費負担金・工期は、地点および時期により大きく異なります。実際の可否と条件は電力会社の検討結果によります。
