「なぜ九州なんですか」。当社が九州の物件を扱っていることについて、よくいただく質問です。地元だからという理由ももちろんありますが、それだけではありません。電力市場の構造として、蓄電池が活きやすいエリアだからです。
太陽光が多いということ
九州は日照条件に恵まれ、土地の条件も重なって、全国でも太陽光発電の導入が早くから進んだエリアです。これは晴れた日の昼間に、エリア内の発電量が需要を大きく上回るという状況を生みました。
電気は貯めておけません(電気は「貯金」できない)。余った分は行き場がないので、価格が沈みます。それでも余るなら、発電そのものを抑えます。これが出力制御です。
九州は全国でも出力制御が多く発生するエリアとして知られています。晴れた春や秋の休日など、需要が小さく日射が強い条件がそろう日に起きやすくなります。
捨てられている電気があるということは
出力制御は、電力系統を守るために必要な措置です。ただ投資家の視点で見ると、別の意味を持ちます。
発電できるのに、受け手がいないという理由で捨てられている電気がそこにある。
それを引き取って、必要とされる時間まで持ち越せる設備があれば、捨てられずに済みます。蓄電池がこのエリアで評価される理由は、端的にそこです。
落差こそが収益源
もう少し市場の言葉で言い換えます。
昼に電気が余る → 卸電力市場の昼間価格が沈む → 安く充電できる 夕方に太陽光が引く → 需要は残っている → 価格が上がる → 高く放電できる
蓄電池の収益は、この価格差(スプレッド)から生まれます。太陽光が多いエリアほど昼の沈み込みが深くなり、落差が大きくなりやすい。九州が適地と言われるのは、この構造によるものです(JEPXと蓄電池、スプレッドは構造的に拡大している)。
さらに、太陽光のような変動する電源が多いエリアは、需給を合わせる調整の必要量も大きくなります。待機して応答する能力への需要が生まれやすい、ということでもあります(「調整力」という裏方の仕事)。
太陽光オーナーにとっても
すでに九州で太陽光発電所をお持ちの方にとっては、また別の意味があります。FIT期間の満了後、FIPへ移行して蓄電池を併設すれば、出力制御で捨てていた電気を貯めて高い時間に売るという選択肢が出てきます。詳しくは太陽光オーナー向けのご案内をご覧ください。
適地ゆえの注意点
ただし「九州ならどこでもいい」という話ではありません。
太陽光の導入が進んだということは、系統の空き容量もその分埋まっているということです。近くの配電線や変圧器に余地がなければ、条件の良い土地でも接続できません(系統連系に「枠」はあるのか)。
また、出力制御が多いことは価格差を生む一方で、ノンファーム型接続の場合には蓄電池側の運用にも制約が及ぶ可能性があります。エリアの傾向と、その地点の条件は別物として確認する必要があります。
まとめ
- 九州は太陽光の導入が進み、出力制御が多く発生するエリア。
- 余る昼と足りない夕方の落差が、蓄電池の収益源になる。
- 一方で、系統の空き容量は埋まりつつあり、地点ごとの確認は必須。
当社は地元の電気工事会社として、電柱単位で現地を確認したうえで区画をご案内しています。販売中の物件、ご相談はこちらから。
※エリアの傾向は一般的な説明であり、実際の価格・制御の状況は時期および地点により変動します。
