需給調整市場・容量市場に続き、今回は蓄電池の収益源の三本目の柱、卸電力市場(JEPX)での充放電差益を解説します(市場の全体像は需給調整市場と容量市場の違いもあわせてご覧ください)。
卸電力市場とは
JEPX(日本卸電力取引所)は、電気そのものを売買する市場です。30分単位で価格が決まり、同じ1日の中でも時間帯によって価格が大きく変わります。
蓄電池の稼ぎ方:価格差の裁定
蓄電池は「電気を時間移動させる装置」です。価格が安い時間に充電し、高い時間に放電して売る——この差額が収益になります。いわゆるアービトラージ(裁定取引)です。
なぜ価格差が生まれるのか
① 太陽光の大量導入 晴れた日の昼間は太陽光の発電が集中し、市場価格が大きく下がります。九州では特にこの傾向が顕著で、昼に安く充電できる機会が多い地域です(需給調整市場の収益変動参照)。
② 夕方の需要ピーク 太陽光の発電が減る夕方は、需要が高いまま供給が細るため価格が上がりやすくなります。「昼に貯めて夕方に出す」が基本の型になるのはこのためです。
③ 季節・天候要因 猛暑・寒波などの需給逼迫時には価格が急騰することがあり、蓄電池にとっては大きな収益機会になります。
収益源としての特徴
- 機会は毎日ある:需給調整市場の落札に依存せず、日々の価格差から収益を積み上げられる
- 変動は大きい:価格差が小さい日は収益も小さい。年間で均して見る必要がある
- 運用の巧拙が出る:どの時間に充放電するかの予測・判断はアグリゲーターのアルゴリズム次第。ここでも運用パートナーの質が効く(アグリゲーターとは参照)
複数市場の組み合わせが基本
実際の運用では、需給調整市場・容量市場・卸電力市場をその時々で最も収益性の高い形に組み合わせるのが主流です。一つの市場が不調でも他で補える構造は、収益の変動をならす効果があります。物件検討時には「どの市場をどう組み合わせる想定か」を確認してください。
まとめ
卸電力市場の充放電差益は、再エネ大量導入時代ならではの収益機会です。太陽光導入が進んだ九州は、価格差という意味で蓄電池のポテンシャルが高い地域と言えます。収益構成の詳しい考え方は、無料相談で個別にご説明します。
※市場価格は変動し、将来の収益を保証するものではありません。
