系統用蓄電池投資の説明で必ず出てくる「需給調整市場」。収益の柱でありながら「価格が変動する」と聞いて不安になる方も多いはずです。今回はその仕組みと、価格が動く理由を整理します。
需給調整市場とは
電気は貯めにくく、使う量と作る量を常に一致させる必要があります。このバランス調整のための「調整力」を売り買いする市場が需給調整市場です。蓄電池は充電・放電を素早く切り替えられるため、この調整力の担い手として適しています。
蓄電池の所有者は、アグリゲーター(複数の電源を束ねて市場に参加する事業者)を通じて市場に参加し、調整力を提供できる状態で待機すること自体への対価などを受け取ります(需給調整市場とアグリゲーター参照)。
価格が変動する主な要因
① 再生可能エネルギーの導入量 太陽光・風力が増えるほど発電量の変動が大きくなり、調整力の需要は増えます。九州は太陽光の導入が進んだ地域であり、調整力ニーズが生まれやすい環境です。
② 季節・天候 冷暖房需要が大きい夏冬や、天候が不安定な時期は需給が乱れやすく、価格が動きやすくなります。
③ 参加リソースの量(競争環境) 市場に参加する蓄電池や発電機が増えれば、落札価格には低下圧力がかかります。逆に調整力が不足している区分・時間帯では価格が上がります。
④ 制度・ルールの見直し 市場は現在も制度整備が続いており、要件や商品区分の変更が価格環境に影響することがあります。
変動とどう付き合うか
価格変動は蓄電池投資の前提条件です。付き合い方のポイントは3つあります。
- 単年ではなく複数年の平均で見る:良い年・悪い年を均して回収計画を立てる(回収期間の考え方参照)
- 下振れシナリオで資金計画を組む:ベースケースの7掛け程度でも返済・維持が回るか
- 複数の収益源を持てる体制か確認する:需給調整市場だけでなく、卸電力市場での充放電差益など、市場環境に応じて運用を切り替えられるアグリゲーターと組んでいるか(スプレッドの歴史参照)
まとめ
需給調整市場の価格変動は「読めないリスク」ではなく、「幅を織り込んで計画するもの」です。当社では収益想定の根拠と下振れケースを含めてご説明しています。詳しくは無料相談でお尋ねください。
※市場価格・制度は変動します。本記事は執筆時点の一般的な情報です。
