蓄電池投資を検討する方から最も多くいただく質問が「何年で元が取れますか?」です。
結論から言うと、回収期間は物件の条件によって変わるため一律には言えません。ただし、計算の枠組みを知っておけば、提示された物件が妥当かどうかをご自身で判断できるようになります。今回はその考え方を整理します。
回収期間の基本式
回収期間の考え方はシンプルです。
回収期間(年)= 初期投資額 ÷ 年間の手取り収益
ここで注意したいのは、分母を「表面利回りから計算した収益」ではなく「経費を引いた後の手取り」で見ることです。
分子:初期投資額に含まれるもの
- 蓄電池システム本体・パワーコンディショナ
- 設置工事費(基礎・電気工事・系統連系工事)
- 用地関連費用(借地の場合は初期費用は小さく、購入の場合は土地代)
- 諸経費(申請費用・紹介手数料など)
物件広告の「販売価格」にどこまで含まれているかは必ず確認してください。工事費・手数料が別建てになっている場合、実際の投資額は表示価格より大きくなります。
分母:年間手取り収益を構成する要素
収入側
- 需給調整市場・容量市場などからの収益(市場価格により変動します)
- 卸電力市場での充放電差益
支出側
- 地代(借地の場合。当社の取扱物件では年額6万〜12万円程度です)
- 保険料・メンテナンス費用
- 通信費・EMS利用料
- 固定資産税(償却資産)
モデルケースで考える
あくまで一例として、次の条件で計算してみます。
- 初期投資額:2,000万円
- 年間想定収益(ベース):600万円
- 年間経費(地代・保険・保守等):100万円と仮定
2,000万円 ÷(600万円 − 100万円)= 4年
一方、市場価格が想定を下回り年間収益が400万円だった場合は、
2,000万円 ÷(400万円 − 100万円)= 約6.7年
このように、収益の前提が変わると回収期間は大きく動きます。「最短ケース」だけでなく、収益が下振れしたケースでも許容できるかを見ておくことが重要です。
回収を早める要因・遅らせる要因
早める要因
- 施工と販売が同一会社で中間マージンが少ない物件
- メンテナンス費用を抑えられる体制(駆けつけ距離が近い等)
- 系統連系申請が完了済みで、運転開始までの空白期間が短い物件
遅らせる要因
- 市場価格の下振れ
- 故障時の対応遅延による稼働停止期間
- 想定外の追加工事・修繕費
まとめ:回収期間は「前提込み」で確認を
回収期間そのものより大切なのは、その数字がどんな前提で計算されているかです。物件検討の際は、①販売価格に何が含まれるか、②年間収益の想定根拠、③経費の内訳、の3点を必ず確認してください。
当社では、施工から保守までを自社で担う体制だからこそ、経費側の前提も含めてご説明できます。個別物件の収支シミュレーションをご希望の方は、お気軽に無料相談をご利用ください。
※本記事の収益・回収期間は一般的な考え方を示すためのモデル計算であり、将来の収益を保証するものではありません。市場価格や制度の変更により実際の結果は変動します。
