連載「電気が資産になる時代」第11回/全15回
前回までに紹介した三つの収益源を整理します。
①市場価格差の裁定:安い昼に充電し、高い夕方に放電する。再エネ拡大とともに価格差は構造的に広がる傾向。
②需給調整市場(一次調整力など):待機への対価。EPRX実データで30分あたり5〜6円/kW程度の約定実績。
③容量市場:将来の供給力としての存在への対価。九州2030年度向けは約15,112円/kW。
一つの収益源に依存する投資は、その市場が崩れたときに脆い。蓄電池投資の本質的な強みは、性質の異なる複数の市場から同時に収益を得る「レベニュースタッキング(収益の積層)」にあります。
裁定は電力価格の変動から、調整力は系統の安定ニーズから、容量市場は国の供給力政策から収益が生まれる。それぞれ変動要因が異なるため、分散効果が働きます。
大切なのは、楽観シナリオではなく実データと保守的な前提で収支を組むこと。当社が試算に約定実績値を使うのはそのためです。当社の標準モデルが②の需給調整市場ぶんだけで年間約500万円を見込み、①③を上乗せ余地として算入していないのも、同じ理由によります。
3つのシナリオでの収支と回収期間は3シナリオ試算をご覧ください。次回は、これを実現する具体的な設備の話をします。
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