連載「電気が資産になる時代」第10回/全15回
蓄電池収益の第三の柱が容量市場です。これは少し不思議な市場で、取引されるのは電気そのものではなく、「数年後にその電源が存在し、いざという時に動けること」です。
電力の安定供給には、需要ピークに備えた供給力の確保が欠かせません。しかし市場価格だけに任せると、稼働率の低い電源は採算が合わず退出してしまう。そこで国は、将来の供給力をオークションで事前に買い取る仕組みを作りました。それが容量市場です。
直近のオークションでは、九州エリアの2030年度向け約定価格は約15,112円/kW。50kWの蓄電池なら、存在して要件を満たすだけで年間約75万円の収入に相当します(実際の受取額は経過措置や要件により変動します)。
裁定取引は「動いて稼ぐ」、調整力は「待機して稼ぐ」、容量市場は「存在して稼ぐ」。性質の異なる三つの収益源を一台で積み上げられることが、蓄電池という資産の独自性です。
なお当社の標準モデルで案内している年間想定収益 約500万円は、需給調整市場ぶんのみを見込んだ保守的な数字です。容量市場からの収益は取れれば上乗せになりますが、経過措置や要件により変動するため、標準の収支には算入していません。
