秋の連休です。少し肩の力を抜いた話を。
休むのは人間、休まないのは太陽
連休になると、工場のラインは止まり、オフィスの空調も照明も落ちます。電力需要はふだんの平日より小さくなります。
一方で、太陽光発電はカレンダーを見ていません。晴れれば休日でも平常どおり発電します。つまり連休の晴れた昼間は、需要が減っているのに供給は減らないという、ややアンバランスな時間帯になります。
こうなると卸電力市場の昼間価格は下がりやすくなります。九州のように太陽光の多いエリアでは、昼の価格が大きく沈み込む日が出てきます。極端な場合、発電そのものを抑える出力制御がかかります。せっかく作った電気を、使い道がないという理由で捨てているわけです。
夕方には、また別の顔
ところが夕方になると様子が変わります。日が傾いて太陽光の出力が落ちる一方、人は家にいます。テレビ、調理、空調。需要は残っているのに、昼を支えていた電源が引いていく。この時間帯は価格が上がりやすくなります。
一日のなかで「余る時間」と「足りない時間」がはっきり分かれる。連休は、その落差が見えやすい日でもあります。
蓄電池が向き合っているのは、この落差
蓄電池が稼ぐのは、電気そのものではなく、この時間差です。余っている時間に貯め、足りない時間に放つ。休日は需要が小さいぶん昼の価格が沈みやすく、落差という意味ではむしろ出番になりやすい日と言えます(同じ1kWhの価値が時間で変わる理由)。
もっとも、休日だから必ず儲かるという単純な話ではありません。天候、気温、他の設備の動き、市場参加者の顔ぶれで、価格は日々変わります。連休でも曇っていれば昼は沈みませんし、出力制御がかかる状況では充放電の運用自体に制約が出ることもあります(需給調整市場の収益はなぜ変動するか)。
連休のついでに
行楽に出かける道すがら、電柱と、その上に載っている灰色の筒(柱上変圧器)を眺めてみてください。あの一本一本に容量の上限があって、そこにどれだけ余裕があるかが、蓄電所を置けるかどうかを決めています(系統連系に「枠」はあるのか)。
普段は誰も気にしない設備ですが、意識してみると、街の見え方が少し変わります。
よい連休を。
※市場価格の動きは天候・需給・制度により変動します。本記事は一般的な傾向の説明であり、特定の収益を示すものではありません。
