株式会社信和 低圧系統用蓄電池事業

需給調整市場とアグリゲーター ── 蓄電池の応答速度が価値を生む

業界動向2026-03-27読了 4
電力系統と取引市場のイメージ

前編 でJEPXスポット市場と容量市場を見ました。本記事では3つめの収益源、 需給調整市場 を解説します。

需給調整市場は、蓄電池の 「数秒で応答できる」という特性が高く評価される 市場で、kW単価で年間1〜3万円という高単価がつくこともある重要な収益源です。

需給調整市場:「速さ」を売る市場

何のための市場か

需給調整市場は、 電力系統のリアルタイムな需給バランス調整に貢献する電源 を集める市場です。

電力系統は、需要と供給が常に一致していないと周波数が乱れて停電します。電力会社(一般送配電事業者)は秒〜分単位で需給を調整する必要があり、そのために 応答が速い電源 を募集しています。

蓄電池の優位性

火力発電は出力変更に数分〜数十分かかります。一方、 蓄電池は数秒で出力をフルに変動させられる ため、需給調整市場では 最も価値の高い電源カテゴリ に分類されます。

5つの調整商品

需給調整市場には応答速度別に5つの商品が存在します。

商品名 応答時間 蓄電池の適性
一次調整力 10秒以内 最適(最高単価)
二次調整力① 5分以内 適合
二次調整力② 5分以内 適合
三次調整力① 15分以内 適合
三次調整力② 45分以内 適合
需給調整市場の5商品
応答時間が速いほど蓄電池の優位性が高い。一次調整力(10秒以内)が最高単価。

蓄電池は 特に「一次調整力」で高単価 を得ることができます。kW単価で年間 1〜3万円 と、容量市場の数倍の単価がつくこともあります。

収益寄与の試算

仮にAC50kW蓄電池が一次調整力で約定し、単価が15,000円/kW/年だった場合、

需給調整市場収益 = 50kW × 15,000円 = 約 75万円/年

JEPXスプレッド収益(600万円)の 約12-15%程度を上乗せ する効果があります。

制約事項

需給調整市場に参加する場合、 常に一定容量を「予備」として残しておく必要 があります(呼び出されたらすぐに応答するため)。このため、 JEPXスプレッド収益が若干減る トレードオフが発生します。

最適なバランスは、 「予備容量を一定確保しつつ、残りでJEPXアービトラージを最大化」 という設計。これも自動運用システムが最適化します。

レベニュースタックの全体像

JEPXスポット + 容量市場 + 需給調整市場 を組み合わせると、

収益源 年間収益(標準モデル)
JEPXスプレッド 約 600万円
容量市場 約 40万円
需給調整市場 約 60万円
合計 約 700万円

JEPX単独より 約16-18% 多い 収益が得られ、しかも 市場が逆風になった時の下支え にもなります。

アグリゲーターの役割

低圧蓄電池オーナーが個別に3つの市場に参加することは現実的に不可能です。 アグリゲーターと呼ばれる事業者 が複数オーナーの蓄電池を束ね、市場に参加します。

オーナーは アグリゲーターと運用契約を結ぶだけ で、これら全市場からの収益を取りに行ける構造になっています。

信和の標準パッケージでは、 アグリゲーター連携を含む全市場参加 が組み込まれているため、オーナーが個別に手続きする必要はありません。

まとめ

蓄電池の収益は 「JEPXだけ」ではなく、容量市場と需給調整市場を組み合わせた『レベニュースタック』 で考えるのが業界標準になっています。

  • JEPX単独 → 約600万円
  • 3市場活用 → 約700万円(+16-18%)

低圧蓄電池でもアグリゲーター経由でこれらの市場に参加できる仕組みが整っており、 収益ポートフォリオの設計 が今や蓄電池ビジネスの主戦場です。

詳細は お問い合わせフォーム よりご相談ください。

次に読む: 電気事業法改正と蓄電池ビジネスの追い風

蓄電池導入のご相談はこちら

お客様の土地・状況に合わせて、無料で収益シミュレーションを作成します。

無料相談を申し込む