株式会社信和 低圧系統用蓄電池事業

電気事業法改正と蓄電池ビジネスの追い風 ── 2022-2024年の法整備

業界動向2026-03-21読了 4
政策・制度のイメージ

系統用蓄電池の市場が急拡大している背景には、 法制度の追い風 という大きな要因があります。本記事では、2022年から2024年までの主要な法整備を時系列で追います。

系統用蓄電池ビジネスの追い風タイムライン
2022年の電気事業法改正から2026年以降の制度進化まで、蓄電池ビジネスを支える制度的追い風が続いている。

2022年:電気事業法改正で蓄電池が「発電事業者」に

最も大きな転換点は、 2022年5月に成立した電気事業法改正 です。

改正のポイント

それまで蓄電池は法的位置づけが曖昧で、「電力をためて売る」という事業形態が想定されていませんでした。改正により、

  • 10MW以上の蓄電池は「発電事業」として位置づけ
  • 10MW未満は「特定卸供給事業」として登録制
  • 系統接続のルールが整備
  • 容量市場・需給調整市場への参加が公式に認められる

という枠組みが整いました。これにより、 「蓄電池ビジネスは合法的かつ制度的に保護された事業」 になったのです。

なぜ重要か

法的位置づけが明確になることで、 銀行融資が下りやすくなり、機関投資家も参入 できるようになりました。それまでは「グレーゾーン」のように扱われていた蓄電池が、 正式なインフラ事業 として扱われる土台が整ったのです。

2023年:FIP制度の本格運用開始

FIP(Feed-in Premium)制度は、固定価格買取(FIT)に代わる新しい再エネ買取制度です。

FIPと蓄電池の関係

FIPでは、再エネ発電の売電価格が 市場価格 + プレミアム という構造になります。これは発電事業者を 市場価格変動の世界に引き出す制度 であり、蓄電池の 「市場連動運用」のニーズを爆発的に拡大 させました。

太陽光発電事業者がFIPに移行すると、

  • 昼の発電単価は市場連動で安くなる
  • 夕方に売電できれば単価が上がる

「太陽光 + 蓄電池」のセット運用 が経済合理的になります。

実際、FIP制度開始以降、新規太陽光発電所の多くが 蓄電池併設前提 で設計されるようになっています。

2024年:容量市場の本格稼働

容量市場は2024年度から本格稼働しました。 別記事「収益スタックの全体像」 で詳述しましたが、要点を再掲します。

  • 4年先の容量を入札する仕組み
  • 蓄電池はピーク時の放電能力を売る
  • kW単価で年間数千〜1万円程度の安定収益

JEPXスプレッドだけに依存しない、 安定収益ベース を確立できるようになったのが大きな変化です。

「合法的なインフラ事業」になったことの意味

3年連続の法整備の結果、蓄電池は

  • 法的位置づけが明確
  • 銀行融資の対象になる
  • 国の補助金プログラムの対象
  • 売却・継承時の評価が確立する

という、 「真っ当な事業」 として扱える状態になりました。10年前の蓄電池ビジネスとは、土俵が全く異なる状況です。

まとめ

2022年から2024年にかけて、

  • 2022年:電気事業法改正 → 法的位置づけ明確化
  • 2023年:FIP制度開始 → 太陽光+蓄電池の需要が拡大
  • 2024年:容量市場本格稼働 → JEPX以外の安定収益源

という制度的な追い風が連続しました。これが現在の蓄電池ビジネス急成長の土台です。

続編では、 2025年以降の補助金・税制と、2026年以降の制度進化の見通し を解説します。

続編: 補助金・税制と2026年以降の見通し ── 投資のタイミング

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