株式会社信和

需給調整市場と容量市場の違い|蓄電池の収益源を整理する

業界動向2026-08-09読了 3
需給調整市場と容量市場の違いのイメージ

蓄電池投資の説明には複数の「市場」が登場します。混同しやすい需給調整市場容量市場について、それぞれ「何への対価か」という軸で整理します。

需給調整市場:「調整する力」への対価

電力は使う量と作る量を秒単位で一致させる必要があります。需給調整市場は、このズレを埋める調整力を取引する市場です(需給調整市場の収益はなぜ変動する参照)。

蓄電池は指令に応じて素早く充放電できるため、調整力の提供者として参加します。収益は、調整力を提供できる状態で待機すること(ΔkW)への対価と、実際に動いた電力量(kWh)への対価で構成されるのが基本形です。

イメージは「待機してくれる救急隊への出動待機料+出動料」。市場価格は週ごとの入札で決まり、季節や需給状況で変動します。

容量市場:「将来の供給力」への対価

容量市場は、数年後の日本全体の供給力(発電・放電できる能力そのもの)を前もって確保するための市場です。実際に発電した量ではなく、「必要なときに供給できる状態を約束すること」に対価が支払われます。

イメージは「将来の席の予約料」。オークションは実需給の数年前に行われ、落札すれば該当年度に安定的な収入が見込めます。その意味で、変動の大きい需給調整市場収益に対する安定化要素になり得ます。

2つの市場の性質比較

需給調整市場 容量市場
対価の対象 調整力(待機+稼働) 将来の供給能力
収益の性質 市場価格で変動 落札できれば比較的安定
時間軸 週単位の取引 数年前のオークション

投資家として押さえるべきこと

個々の市場のルールを暗記する必要はありません。重要なのは次の2点です。

  1. 自分の物件の収益がどの市場から来る想定か:収支シミュレーションの内訳を確認する
  2. アグリゲーターが複数の収益源を組み合わせられるか:一つの市場に依存した設計より、市場環境に応じて運用を最適化できる体制の方が変動に強い(アグリゲーターとは参照)

まとめ

需給調整市場は「変動するが機会の大きい収益」、容量市場は「安定側の収益」と、性質が異なります。組み合わせ方は物件のスキームによって違うため、商談時に収益内訳としてご確認ください。当社の無料相談では、この内訳の読み方からご説明しています。

※各市場の制度・価格は変動します。本記事は仕組みの概説であり、収益を保証するものではありません。

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