蓄電池投資の説明には複数の「市場」が登場します。混同しやすい需給調整市場と容量市場について、それぞれ「何への対価か」という軸で整理します。
需給調整市場:「調整する力」への対価
電力は使う量と作る量を秒単位で一致させる必要があります。需給調整市場は、このズレを埋める調整力を取引する市場です(需給調整市場の収益はなぜ変動する参照)。
蓄電池は指令に応じて素早く充放電できるため、調整力の提供者として参加します。収益は、調整力を提供できる状態で待機すること(ΔkW)への対価と、実際に動いた電力量(kWh)への対価で構成されるのが基本形です。
イメージは「待機してくれる救急隊への出動待機料+出動料」。市場価格は週ごとの入札で決まり、季節や需給状況で変動します。
容量市場:「将来の供給力」への対価
容量市場は、数年後の日本全体の供給力(発電・放電できる能力そのもの)を前もって確保するための市場です。実際に発電した量ではなく、「必要なときに供給できる状態を約束すること」に対価が支払われます。
イメージは「将来の席の予約料」。オークションは実需給の数年前に行われ、落札すれば該当年度に安定的な収入が見込めます。その意味で、変動の大きい需給調整市場収益に対する安定化要素になり得ます。
2つの市場の性質比較
| 需給調整市場 | 容量市場 | |
|---|---|---|
| 対価の対象 | 調整力(待機+稼働) | 将来の供給能力 |
| 収益の性質 | 市場価格で変動 | 落札できれば比較的安定 |
| 時間軸 | 週単位の取引 | 数年前のオークション |
投資家として押さえるべきこと
個々の市場のルールを暗記する必要はありません。重要なのは次の2点です。
- 自分の物件の収益がどの市場から来る想定か:収支シミュレーションの内訳を確認する
- アグリゲーターが複数の収益源を組み合わせられるか:一つの市場に依存した設計より、市場環境に応じて運用を最適化できる体制の方が変動に強い(アグリゲーターとは参照)
まとめ
需給調整市場は「変動するが機会の大きい収益」、容量市場は「安定側の収益」と、性質が異なります。組み合わせ方は物件のスキームによって違うため、商談時に収益内訳としてご確認ください。当社の無料相談では、この内訳の読み方からご説明しています。
※各市場の制度・価格は変動します。本記事は仕組みの概説であり、収益を保証するものではありません。
