10月も下旬になると、紅葉の便りが聞こえてきます。九州でも、山のほうから少しずつ色づき始める季節です。
今日は軽めの読み物として、紅葉と電気に共通する「差」の話をします。
紅葉は「寒暖差」で進む
紅葉がきれいに色づく条件として、よく挙げられるのが昼と夜の寒暖差です。
一般に、
- 昼は日差しがあって暖かい
- 夜はぐっと冷え込む
という日が続くと、色づきが進みやすいと言われます。気温が一日中同じように低いだけでも、高いだけでもなく、**昼と夜の「差」**が鮮やかな色を生むわけです。
もちろん、日当たりや雨の量など、ほかの条件も関わります。それでも「差があるからこそ美しくなる」というのは、なんだか味わい深い話です。
電気にも「差」がある
電気の世界にも、昼と夕方の間に大きな「差」があります。
九州では、晴れた日の昼間に太陽光発電がたくさん電気をつくります。一方で、日が傾くと太陽光の発電は減り、夕方から夜にかけては家庭での電気の使用が増えていきます。
- 昼:電気が余りやすい
- 夕方:電気が足りなくなりやすい
この差は、電力市場での価格の差としても表れます。電気が余る時間は安く、足りない時間は高くなりやすいのです(電気にも「旬」がある、同じ1kWhの価値が時間で変わる理由)。
差を埋めるところに、蓄電池の出番がある
蓄電池は、この差を埋める設備です。
- 電気が余る昼に充電して
- 電気が足りない夕方に放電する
余った電気を捨てずに、必要な時間に届ける。それが電力系統の安定に役立ち、同時に、時間による価格の差が蓄電池の収益の源になります(JEPXと蓄電池)。
差は、いつも同じではない
紅葉の色づきが年によって違うように、電気の「差」も、季節や天候、制度の変更などによって大きくなったり小さくなったりします。秋は冷暖房の需要が落ち着く一方で、日が短くなり、昼と夕方の関係も夏とは変わってきます(秋分の日と蓄電池)。
「差があれば必ず収益になる」というほど単純ではありません。それでも、差が生まれる構造そのものが、蓄電池という設備の存在理由になっていることは確かです。
紅葉を眺めながら、昼と夜、昼と夕方の「差」に、少し思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
※本記事は一般的な情報提供を目的とした読み物です。市場価格や収益は、時期・天候・制度などにより変動します。
