株式会社信和

需給調整市場の単価はなぜ下がる?|上限価格19.51円→15円→10円の流れと、蓄電池への影響

業界動向2026-11-06読了 3分
コストと収支のイメージ

11月のシリーズ「蓄電池はどう稼ぐか」。昨日は需給調整市場の「席」が限られてきた話でした。今日は、もう一つの変化である単価の引き下げです(会合の全体像は国の最新資料と、九州に追い風の理由)。

上限価格の推移

需給調整市場の上限価格(一次・二次①・複合商品)は、段階的に引き下げられてきました。

上限価格(円/ΔkW・30分)
以前 19.51円
その後 15円
現在 10円(2026年9月1日実需給分から)

出典:資源エネルギー庁「需給調整市場について」電力安定供給WG(第1回)資料8(2026年5月13日)、電力需給調整力取引所(EPRX)上限価格

単位の「ΔkW・30分」は、30分のあいだ、どれだけの出力(kW)を調整のために待機させておけるかという量を表します。電気の量(kWh)ではなく、待機する「能力」に値段がつくのが、需給調整市場の特徴です。

上限価格とは何か

上限価格は、入札できる価格の天井です。実際の約定価格は、入札の状況によって決まり、上限より低くなることもあります。

それでも、天井が下がれば、高い価格で落札される余地は小さくなります。調整力が足りなかった時期には価格が高く、系統用蓄電池の収益の柱になってきましたが、蓄電池の参入が増えるなかで、国は上限価格を引き下げてきました。

注意しておきたいこと

需給調整市場の上限価格は、さらに下がる可能性があります(7.21円も候補)

10円で止まるとは限らない、ということです。単価の動きは、蓄電池の収益に直接かかわります。

  • 上限価格や募集の方法は、今後も見直される可能性があります
  • 約定価格は、入札する事業者の数や電源の状況によって変わります
  • 需給調整市場の収益は、月や季節によっても変動します(需給調整市場の収益はなぜ変動する?)

当社の見方

単価が下がる方向にあっても、需給調整市場は収益の柱の一つであり続けると考えています。当社の投資シミュレーションも、市場の単価が毎年下がっていく想定をおいたうえで、需給調整市場を中心に試算しています。

そのうえで大切なのは、一つの市場の単価だけに頼らないことです。国の資料が次の柱として示したのが、卸電力市場の値差と上げDRです。

次回は立冬にちなんだ軽めの読み物、その後に「電気の値段は1日の中で動く」という、値差の入り口の話に進みます。

※本記事は、国などの公表資料をもとにした一般的な情報提供を目的としたもので、将来の収益を保証するものではありません。制度や市場のルールは今後変わる可能性があります。