11月のシリーズ「蓄電池はどう稼ぐか」、今日から本編に入ります。
まずは、シリーズのもとになっている国の会合の全体像です。資料の原文の引用と当社の解説を分けた詳しいまとめは、国の最新資料と、九州に追い風の理由 にあります。資料(PDF)もダウンロードできますので、あわせてご覧ください。
どんな会合だったのか
- 会議:総合資源エネルギー調査会 分散型エネルギー推進戦略ワーキンググループ(第4回)
- 開催日:2026年10月13日
- 事務局:資源エネルギー庁
- 資料:資料1「分散型エネルギーリソースを取り巻く状況と今後の議論対応」
- 会合ページ(経済産業省ウェブサイト)
蓄電池やEVなど、各地に分散している設備(分散型エネルギーリソース)をどう活かすかを議論する場です。
資料のポイントは3つ
1. 需給調整市場の「席」は限られてきた
系統用蓄電池の収益の中心は、これまで需給調整市場でした。資料1では、2035年度時点で「他の電源も含めると蓄電池は577万kWで充足するとの見通し」が示され、「ほぼ需給調整市場のみで運用を行う従来のビジネスモデルに影響を及ぼす可能性がある」とされています(資料1 p.48)。
2. 卸電力市場の値差という柱
資料1は、「需給調整市場で利用できない蓄電池が卸電力市場にて活用されるなどの動きが出る可能性もあり、その動向を注視していくことは重要」としています(資料1 p.48)。電気が安い時間に充電し、高い時間に放電して、価格の差(値差)を収入にする使い方です。
3. 上げDRという、これからの柱
今後の議論の方向として「上げDR(出力制御の抑制)の拡大」が挙げられています(資料1 p.3)。再エネが余って出力制御になりそうな時間に、蓄電池の充電などで電気の使い道をつくる考え方です。
当社の見方
需給調整市場は、単価の引き下げが進んでいるものの、収益の柱の一つであることに変わりはないと考えています。値差や上げDRは、需給調整市場の「席」や単価の変化に備えて、収益の柱を1本に頼らないための選択肢になりうると考えています。
ただし、注意しておきたい点もあります。
- 需給調整市場の上限価格は、さらに下がる可能性があります
- 卸電力市場の値差は、年や天候によって変わります
- 上げDRの具体的な仕組みは、まだ決まっていません
明日からは、この3つのポイントを一つずつ掘り下げます。まずは需給調整市場の「席」の話です。
※本記事は、国などの公表資料をもとにした一般的な情報提供を目的としたもので、将来の収益を保証するものではありません。制度や市場のルールは今後変わる可能性があります。
