今日はスポーツの日。運動会や地域の大会でリレーを見る機会も多い季節です。リレーの見どころといえば、やはりバトンパス。速い走者がそろっていても、受け渡しでもたつけば順位を落とします。
電気の世界にも、毎日行われているリレーがあります。
第1走者:朝、目覚める電源たち
朝、人々が起き出すと電気の需要が増えます。火力発電などの電源が出力を上げて、この立ち上がりに応えます。日が昇るにつれて、太陽光の発電も少しずつ加わってきます。
第2走者:昼の主役は太陽光
晴れた日の昼、主役は太陽光です。九州では、昼間の発電の大きな部分を太陽光が担う日もあります。
このとき、ほかの走者は脇に回ります。
- 火力発電は出力を下げて、太陽光に道を譲る
- 揚水発電は、余った電気でポンプを動かし、水を高いところへくみ上げる(電気を水の形で貯める)
- 蓄電池は、余った電気で充電する
昼の間に、次の走者がバトンを受け取る準備をしているわけです(電気にも「旬」がある)。
最大の山場:夕方のバトンパス
リレーの勝負どころは、夕方です。
太陽が傾くと、太陽光の発電は急速に減っていきます。一方で、家庭の需要はむしろ増える時間帯。走ってきた太陽光が減速するなか、次の走者は短い時間で一気に加速しなければなりません。
ここでバトンを受け取るのが、
- 蓄電池:昼に貯めた電気を放電する。応答が速く、急な変化に合わせやすい
- 揚水発電:くみ上げた水を落として発電する
- 火力発電:出力を上げて需要を支える
といった走者たちです。バトンパスがうまくいかなければ、需給のバランスが崩れてしまいます。夕方の受け渡しをいかに滑らかにするかは、太陽光が増えた電力系統にとって大きな課題です(「調整力」という裏方の仕事)。
夜:アンカーが走り切る
夜は、需要が落ち着くなかで、火力などの電源が走り続け、翌朝へとバトンをつなぎます。そして、また次の一日のリレーが始まります。
蓄電池は「つなぎ」の名手
リレーでは、エースだけでなく、確実にバトンをつなぐ走者が勝敗を左右します。蓄電池は、昼の余りを受け取り、夕方の山場に渡す、まさにつなぎ役です。
昼と夕方の価格差が、蓄電池の収益の源になるのもこのためです(蓄電池の1日、九州が蓄電池の適地である理由)。
まとめ
- 電気の世界では、一日の中で電源どうしがバトンをつないでいる。
- 昼の主役は太陽光。夕方のバトンパスが最大の山場。
- 蓄電池は、昼の余りを夕方につなぐ「つなぎ」の走者。
スポーツの日、リレーを見かけたら、電気のバトンパスのことも少し思い出していただければうれしいです。
※電源の構成や運用は、日々の需給状況・季節により異なります。
