10月の和名は神無月(かんなづき)。全国の神様が出雲に集まり、各地の神様が留守になるから——という言い伝えはよく知られています。逆に出雲では、この月を神在月(かみありづき)と呼ぶそうです。
語源には諸説あるものの、「神様が留守になる月」という話は、季節の話題として長く親しまれてきました。
留守番をする神様もいる
面白いのは、留守の間に地元を守る「留守神」の言い伝えもあることです。すべての神様が出かけてしまうのではなく、誰かが残って留守を預かる。昔の人も、「誰もいない」状態には不安を感じたのかもしれません。
電気の世界に「留守」はない
電気の世界は、まさにこの「留守神」の仕組みで回っています。
電気は、つくる量と使う量を常に一致させ続けなければならないという性質があります。どちらかに偏ると、周波数が乱れ、最悪の場合は停電につながります(電気は「貯金」できない)。
そのため、
- 発電所は、需要に合わせて出力を上げ下げし
- 送配電の担当者は、24時間体制で需給を見守り
- 調整用の設備は、いつでも応答できるように待機する
という仕組みが、1年365日途切れずに続いています。10月でも、夜中でも、連休でも同じです(「調整力」という裏方の仕事)。
蓄電池も「留守番役」の一人
系統用蓄電池も、この留守番役の一人です。
電気が余る時間に貯め、足りない時間に出す。周波数の乱れに素早く応答する。人がカレンダーどおりに休む日も、市場と指令にしたがって動き続けます(「国民の休日」とは何か)。
誰かが必ず残って見張っている。電力インフラの安心は、そうした目立たない待機の積み重ねで成り立っています(電力インフラの「裏方」に投資する)。
今月の「心配ごと編」について
今月前半は、蓄電池投資の「心配ごと」を順に取り上げています。地震、盗難、停電、保険、塩害、雷、寿命——。どれも「絶対に大丈夫」とは言えないものですが、備え方はあります。
神様が留守の月だからこそ、設備の留守番について一緒に考えていければと思います。
※言い伝え・語源には諸説があります。
