今日は敬老の日です。長く働いてこられた方への感謝の日ですが、少し角度を変えて「引き継ぐ資産」について考えてみます。
渡せるものには、いくつか種類がある
次の世代に渡せるものといえば、現金、不動産、株式、そして事業。それぞれ性質が違います。
現金は分けやすい代わりに、持っているだけでは増えません。物価が上がれば実質的には目減りします。不動産は収益を生みますが、空室や修繕という管理の手間がついてきます。株式は流動性が高い反面、日々値段が動き、受け取る側の判断力が問われます。
そのどれとも少し違うのが、収益を生む設備です。
設備型資産という選択肢
低圧の系統用蓄電池は、現物の設備でありながら、運用は遠隔で自動化されています。オーナーが毎日操作する必要はなく、日常の管理はアグリゲーターと保守を担う事業者側で行われます。
つまり、受け取った人が「電力市場に詳しくなる」必要はありません。設備がそこにあって、契約に基づいて収益が入ってくる。仕組みとしては、比較的シンプルな部類に入ります。
引き継ぐ側から見れば、次の世代に「学ばせる負担」を渡さずに済むという意味があります。これは意外と軽視できない論点です。不動産でも事業でも、引き継いだ人が知識を持たずに苦労する例は珍しくありません。
ただし、永遠ではない
一方で、忘れてはいけないことがあります。設備には寿命があります。
リチウムイオン蓄電池は使用とともに容量が落ちていきます(劣化の仕組みと寿命)。いずれ更新するか、撤去するかの判断が必要になります。「孫の代まで同じ設備が稼ぎ続ける」という話ではなく、どこかで出口を考えることになる資産です(出口戦略)。
収益も約束されたものではありません。需給調整市場や卸電力市場の価格に連動するため、年によって変動します。制度が変われば前提も変わります。渡す側は、良い面だけでなくこの部分も一緒に伝えておくべきだと思います。
手続きの面の論点
相続や贈与で設備型資産を渡す場合、名義、契約の承継、税務の扱いといった実務が発生します。土地が借地であれば、賃貸借契約の承継も必要です。この辺りは事前に整理しておくほど、受け取る側の負担が軽くなります。
- 相続の論点 → 蓄電池を相続するとどうなる?
- 家族で分けて持つ方法 → 共同保有・複数名義という選択肢
- 個人か法人か → 個人でもできる?法人化が必要になるケース
最後に
敬老の日は、長く続いてきたものに目を向ける日でもあります。三十年前に敷かれた電線が今も街に電気を届けているように、インフラは静かに世代をまたぎます。
その端っこに、自分の設備を一つ置いておく。そういう資産の持ち方もあるのかもしれません。
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※相続・贈与・税務の取扱いは個別の事情により異なります。具体的な手続きは税理士等の専門家にご相談ください。
