蓄電池の仕様書に必ず登場する「EMS」。エネルギーマネジメントシステムの略で、蓄電池投資の収益性を支える「頭脳」にあたる装置です。今回はその役割を解説します。
EMSの3つの役割
① 充放電の制御 いつ充電し、いつ放電するか。この判断とコントロールがEMSの中核です。系統用蓄電池では、アグリゲーターからの指令を受けて充放電を実行し、需給調整市場の要件に沿った応答を行います(需給調整市場の仕組み参照)。人が手動で操作するわけではなく、自動制御で24時間動き続けます。
② 状態監視と保護 蓄電池の温度・電圧・充電残量(SOC)を常時監視し、異常があれば充放電を止めるなどの保護動作を行います。蓄電池を安全に、かつ劣化を抑えて長く使うための番人でもあります。
③ 遠隔監視・通信 稼働状況を通信回線経由で外部に送り、オーナーや保守会社が遠隔で確認できるようにします。故障の検知が早いほど稼働停止期間は短くなるため、遠隔監視は収益を守る仕組みそのものです(保守点検と遠隔監視参照)。
投資家が確認すべきEMS関連ポイント
通信費・EMS利用料はいくらか EMSと遠隔監視には月々の通信費・利用料がかかるのが一般的です。実質利回りの計算に入れるべき経費なので、金額を確認してください(実質利回りの考え方参照)。
異常時に誰がどう動くか EMSが異常を検知した後、誰に通知が飛び、誰が現地に駆けつけるのか。検知から復旧までの体制がセットで説明されるかが重要です。検知だけして誰も動かない体制では意味がありません。
アグリゲーターとの互換性 市場参加はEMSとアグリゲーターのシステム連携で成り立ちます。採用されているEMSが、契約予定のアグリゲーターと接続実績があるかは確認に値します。
EMSは「見えない差」がつく部分
蓄電池本体のスペックはカタログで比較できますが、EMSと保守体制の質は運用が始まってから差が出ます。物件検討時には設備仕様だけでなく、「止まったとき、誰が、どれくらいで動くのか」を聞いてください。
まとめ
EMSは充放電・保護・遠隔監視を担う蓄電池の頭脳であり、その運用体制まで含めて初めて収益設備になります。当社では設置後の監視・駆けつけ体制までセットでご説明しています。詳しくは無料相談でお尋ねください。
