株式会社信和

「託送」とは?|送配電会社の電線網を借りて電気を届ける仕組みと、託送料金

基礎解説2026-10-27読了 4分
電線網のイメージ

昨日は、九州電力と九州電力送配電の違いを取り上げました(九州電力と九州電力送配電の違い)。電線網を持つのは送配電会社で、小売会社がどこであっても、電気は同じ電線網を通って届きます。

では、送配電会社以外の会社は、どうやってその電線網を使っているのでしょうか。そこで出てくるのが「託送」という言葉です。

託送=電線網を借りて電気を届けること

託送とは、ひとことで言えば、送配電会社の電線網を借りて電気を届けることです。

電気を届けるには、発電所から利用者のところまで電線がつながっている必要があります。けれど、発電会社や小売会社が、それぞれ自前の電線を張りめぐらせるのは現実的ではありません。

そこで、地域の送配電会社が持つ電線網を、決められた料金を払って共通で利用する。これが託送の考え方です。

九州電力送配電は、託送のサービスの一つである「接続供給」について、

当社が小売電気事業等のための電気を契約者から受け取り、当社の送配電ネットワークを介して同時に供給区域内にある別の場所の当該契約者へ送り届けるとともに、その電気の量に相当する電気を当該契約者に供給すること

と説明しています。受け取った電気を、電線網を通して別の場所へ届ける。まさに「託して送る」サービスです。

託送料金は、電線網の利用料

電線網を借りるための料金が、託送料金です。

資源エネルギー庁は、託送料金を次のように説明しています。

託送料金とは、電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の利用料金として一般送配電事業者が設定するものであり、経済産業大臣の認可が必要です。

また、電力・ガス取引監視等委員会によると、託送料金は送電線や配電線、変電所などの建設・運用・保守や需給調整、電力使用量の把握などに充てられ、電気料金の約30%を占めています。

私たちが毎月払っている電気料金の中には、この電線網の利用料が含まれている、ということです。

自前の電線がなくても電気を送れる

託送の仕組みがあるおかげで、

  • 新しく参入した小売会社も、自前の電線を持たずに電気を販売できる
  • 発電会社も、つくった電気を電線網を通じて届けられる

ようになっています。資源エネルギー庁の説明でも、新規参入の小売電気事業者だけでなく、既存の大手電力会社の小売部門も、販売した電気の量に応じて託送料金を負担するとされています。電線網は、みんなで使う共通のインフラなのです。

なお、2024年4月からは、**発電者も託送料金の一部を支払う制度(発電側課金)**が導入されるなどの変更もありました。

蓄電池の電気も、同じ電線網を通る

系統用蓄電池も、この電線網の上で動いています。

蓄電池が充電するときに受け取る電気も、放電するときに送り出す電気も、送配電会社の電線網を通ります。蓄電池だけの専用線があるわけではありません。

だからこそ、蓄電池を電線網につなぐには送配電会社への申込が必要で、必要に応じて電線側の工事も行われます(工事費負担金とは?)。蓄電池のビジネスは、共通インフラである電線網を使わせてもらうことを前提に成り立っています。

まとめ

  • 託送とは、送配電会社の電線網を借りて電気を届けること
  • その利用料金が託送料金。電気料金の約30%を占めるとされる
  • 発電会社・小売会社は、自前の電線がなくても電気を届けられる
  • 蓄電池の充電・放電も、同じ電線網を通る

出典:

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。託送料金の水準や制度の詳細は、各公式情報をご確認ください。