「心配ごと編」の7回目は、雷です。夏から秋にかけては雷の多い季節。屋外に置く電気設備にとって、雷への備えは基本中の基本です。
雷の影響は「直撃」だけではない
雷の被害と聞くと、設備に雷が直接落ちる場面を想像しがちです。ただ、電気設備で気をつけたいのは、それだけではありません。
近くに落ちた雷によって、電線や通信線を伝わって一瞬だけ大きな電圧(サージ)が入り込むことがあります。直撃しなくても、この急な電圧で機器の電子部品が傷むことがあるのです。
対策① 避雷器で「入り口」を守る
そこで使われるのが避雷器(SPD:サージ防護デバイス)です。
避雷器は、ふだんは何もしていませんが、異常に高い電圧が入り込んだ瞬間に働き、その電気を機器ではなく地面の側へ流す役割を果たします。機器の手前に置く「関所」のようなものです。
対策② 接地(アース)で「出口」をつくる
避雷器が電気を流す先が、接地(アース)です。
接地とは、設備と大地を電気的につなぐこと。雷の電気や、漏電したときの電気を、安全に地面へ逃がす出口になります。逆に言えば、出口がしっかりしていなければ、避雷器も十分に働けません。
接地は雷対策だけでなく、漏電時の感電防止など、電気設備の安全の根幹でもあります。電気設備の技術基準に沿って、有資格者が施工する領域です(設置要件:基礎・架台・接地、安全と法規制)。
見えない部分ほど、施工品質が効く
接地の工事は、完成後にはほとんど見えません。地面の中に埋まってしまうからです。
- 接地線の太さや接続は適切か
- 土地の条件に合った方法で施工されているか
- 完成時に接地抵抗を測定し、基準を満たしているか
こうした点は、外から眺めても判断できません。だからこそ、施工の記録や試験の結果を資料で確認できるかが大切になります。
当社は電気工事会社として、設計・施工を自社で行っています。見えなくなる部分こそ、手を抜かずに施工し、記録として残すことを大切にしています(設置工事の流れ)。
それでも、雷を完全に防ぐことはできない
避雷器と接地は、雷による被害のリスクを下げるための対策です。自然現象である以上、あらゆる雷から設備を守りきれるとは言えません。
そのため、
- 点検で避雷器の状態を確認する(メンテナンスは何をする?)
- 落雷による損害が保険でどう扱われるかを確認する(保険でどこまで備えられるか)
といった備えも、あわせて考えておくことをおすすめします。
まとめ
- 雷の影響は直撃だけでなく、電線を伝わるサージにも注意。
- 避雷器が入り口で受け止め、接地が出口として地面へ逃がす。
- 見えない部分ほど施工品質が効く。試験記録を資料で確認できるかがポイント。
施工についてのご質問は、無料相談でお気軽にどうぞ。
※必要な対策は、立地条件・設備構成により異なります。
